2017年7月 7日 03:27

水口青年会議所 (第45代理事長) 原 端世様 講演 全文

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生い立ち
私は、造り酒屋の長女として生まれ、総領娘として育てられた。特に、両親の祖父からの影響が大きい。父方の祖父は明治生まれのとても頑固な人でしたが、新しいことが好きでチャレンジャーでした。その祖父の代から貴生川で酒屋を始めたのですが、後進のものはその土地のお客さんを奪うことになるからと、昭和初期から関東に販路を求めていたと聞きます。その祖父は戦時中の若いころ体が弱く戦争に行けず、お国のために働けなかったということをいつも口にしていました。だから、商売をがんばって地域にご恩返しをしなければいけない。商売はそれができる術だといつも言っていた。母方の祖父は戦時中、満州で兵隊をし、敗戦後はシベリア抑留兵という経験をした人です。その祖父は、その時世に影響されていろいろな経験をしたが、今の平和な時代だからこそ、確固たる信念と柔軟な発想力をもって周りに翻弄されない生き方をしていかなければならないといつも言っていました。私の今の生活の根底にはそんなような気持ちがあると思います。
 
JC入会するきっかけ
母親を早くに亡くしていたので祖母たちは家のことをしっかりと教えたかったようですが、外に出ていくことが好きで、祖父は後押しをしてくれました。高校の時から地域の親世代がやっているまちづくり活動に参加していてだんだんと人脈の幅が広がり、大学生の時はそういう活動をいくつも掛け持ちするようになっていて、いつからか、まちづくりの面白さと疑問や問題を感じるようになっていました。そんな中で漠然と、自分には何ができるかなと思うようになっていたのもこのころです。そんな時に所属していた団体の中枢メンバーだったJCの現役やОB さんから組織の運営の仕方や物事の組み立て方、人の動かし方を教えてもらいました。その方たちから感銘を受け、入会に至りました。私も JC が男性ばかりの団体であることは知っていたし、正直よくないうわさも聞いていたので、最初お誘いを受けたときは迷いました。でも、私の信念として、自分が直接見たこと。聞いたこと、体験したことをまずは信じる、ということなので、入っていない団体のことを入る前から評価するのはやめようと思って入会しました。     
 
女性としてJC活動
入会当初、すでに女性メンバーは一人いらっしゃったので、自分としてはそれほど緊張感もなく入らせてもらいました。でも周りはどんどん活動に参加する女性メンバーの扱いに戸惑っていたんでしょう。初めて参加した委員会で 12 時過ぎたころに男性メンバーがひそひそ話をしかけたんです。何かなあと思っていると12時過ぎたので私を家に帰さないといけないのではないかと。ある人は「先に帰っていいよ」と。ある人は「同じメンバーなんだから、同じように扱わないとだめだ」と。私の目の前で言い合いのけんかが始まりました。私一人のことでこんなに気を使わせてしまったと反省しました。その時に「同じように扱ってください」と言いました。思えばそれが足掛け14年のJC生活の始まりだったと思います。自分の覚悟もそこで決まったのでしょうね。そうなるとJC活動が楽しくて楽しくて、夜遅くまで活動することが全く苦ではありませんでした。地域では雲の上の存在の方々とも話ができる環境になるし、JCが楽しく、忙しくなると不思議と仕事もやらなければいけないことが見えてきて充実してきました。仕事の母体は造り酒屋で日本酒、焼酎、地ビールを製造販売していますが、私の仕事は手作り弁当を販売する独自のコンビニと自社管理している不動産物件の管理です。お弁当屋さんのほうは朝が早いので、JCの会議の日は夜遅くなってそのまま仕事に行くということもよくありました。JC生活を一言で表すとまずは「ずっと眠かった」、けれどもそれをはねのけるほど楽しかったです。そうこうしてなんとなく頑張ってるとだんだんと役職を与えてくださるんです。そんなものなくても、普通に頑張るのに。そこが男性社会だなあと思いますが。私も副委員長、委員長など色々な役職を頂戴しました。ロムとブロックを合わせると委員長など長とつくものを6回させていただきました。まさか理事長までさせていただくことになるとは思ってもいませんでしたが。いつも、心配してくれる人がいてその方からは「何でも引き受けたらだめだよ。断る勇気も持たないと」と言われますが。その時にいつも思うのが、私に委員長を依頼される方のほうが、よっぽど勇気があると。私がちゃんとやる保証などどこにもないのです。女に頼んだらもしかしたら途中で投げ出すかもしれないそのようなリスクがいつも付きまとうのに。でも、やらない理由や、途中で投げ出したくなる気持ちは、女性だからではなく、もちろん男性だからでもなく、人だからあるのです。言い訳も考え出したらきりがないですよね。それって女性だからの理由?「仕事が忙しいから」「家庭の事情で」などなど。男性でも仕事もあるし家庭もある家族もある子供もいる。だから、女性だから男性だからということを議論するのは意味のないことだ思っています。でも、私は結婚もしていないし子供もいませんので、家庭を持ち子育てもしながらJCをがんばってる皆さんには本当に敬意を表します。そんな状況でがんばっているからこそ、女性だからとか特別扱いするのではなく同じように頑張れる環境を与えてあげてほしいと思います。仕事や家族との貴重な時間を割いて、JCに特別扱いされたいと思ってきている女性メンバーなどいないはずです。
 
女性としてのまちづくり
2012年に理事長をさせていただきました。本当に多くの方々に支えていただきました。ロムのメンバーはもちろん、地域の方々まで多くの方々に支えられ、何とか1年間を全うさせていただくことができました。だから、これからの私のまちづくりの気持ちは、恩返しです。男性の多い組織でやってきたからこそ見える女性ならではの気持ちや視点を大事に地元地域の中でがんばっていきたいと思っています。その一つが、2012年に水口青年会議所がまちづくり事業で開催した「よみがえれ水口岡山城2012」が現在JCの手を離れ、市民活動として独り歩きを始めています。その活動のお手伝いをしながら、仕事や観光につなげていけないかを模索しています。

近江八幡青年会議所について
外から見た近江八幡青年会議所現役時代からいつも楽しそうで、心から深い友情でメンバーがつながっているロムだなあと感じていました。ブロックの会議でもいつも中心にいるのは八幡JCのメンバーで、私もとても勉強させていただきました。一体感の強いロムがゆえに女性メンバーは、この中に溶け込めるのかなあと感じたこともありました。自分なら大丈夫かな、やっていけるかなと。 ロムにはそれぞれ、そのロムが長い間をかけて作り上げてこられた伝統や思い出、その中から醸し出される空気感があるので、私が偉そうに言うことはできないともいますが、八幡JCさんがこれから地域の中でどんな組織になっていきたいかを考えることが一番の近道なのではないかと思います。八幡JCさんには地域やもっと広い世界でご活躍されている多くの先輩がいらっしゃるということが答えなのではないでしょうか。